1. FXとは何か
FXの定義
- FXは外国為替証拠金取引を指し、異なる2国間の通貨を売買する取引
- 通貨の値段は日々刻々と変動し、その取引差益がトレーダーの収入になる
取引の仕組み
- 例として、1ドルが100円から105円に上昇した場合
100円でドルを買い、105円でドルを売って円を買い戻すと5円の利益が出る - この売買差額が利益または損失となる
証拠金取引の特徴
- FXでは証拠金を預けて取引を行い、レバレッジを利用することで少ない資金で大きな取引をすることが可能
- 国内FX業者では最大レバレッジ25倍
海外FX業者では最大レバレッジ数千倍のところも
2.FX業者の選び方
国内FX業者と海外FX業者の違い
- 国内FX業者は日本の金融庁に登録しており、安全性・信頼性が高い
- 海外FX業者は各国のライセンスを持ち、金融庁の規制が及ばないため自己責任で選択する必要がある
安全性とリスク
- 国内FX業者は顧客資産の保全が義務付けられているが、海外FX業者は必ずしもそうではない
- 追加証拠金(追証)のリスクや強制ロスカットについての理解も必要
- 出金リスク
FX業者の取引口座から自分の銀行口座に出金出来ないリスクもある
レバレッジと必要証拠金
- 国内FX業者は最大25倍、海外FX業者は制限なし
- 必要証拠金の計算方法(ロット計算)を理解し、適切な資金管理を行うことが重要である
- 例)資金10万円、1ドル150円・レバレッジ25倍でUSD/JPYを取引する場合
150円✕1万通貨※÷25倍=60,000円(必要証拠金)
※1万通貨(国内では1ロットで設定している業者が主流)で取引する場合、
変動1pips:100円の損益
変動10pips:1000円の損益
変動100pips(1円):10,000円の損益 - 例)資金10万円、1ドル150円・レバレッジ400倍でUSD/JPYを取引する場合
150円✕20万通貨※÷400倍=75,000円(必要証拠金)
※20万通貨(海外では1ロット:10万通貨で設定している業者が主流)で取引する場合、
変動1pips:2000円の損益
変動10pips:20000円の損益
変動100pips(1円):200,000円の損益
(動画内のテロップは誤植です)
入出金について
- 国内FX業者は金融機関との連携により、振込での入出金が主流
手数料は無料かわずかな料金で即時反映される特徴 - 海外FX業者は入出金方法が多く、取引・入出金に関するルールや禁止事項が不明瞭
手数料も高く口座への反映時間も長い特徴
3.税金と取引ルール
国内FX業者の税金
- 申告分離課税が適用され、税率は20.315%
(所得税15%+住民税5%+復興特別所得税0.315%) - 過去3年分の損益通算が可能
海外FX業者の税金
- 総合課税で、利益が多いほど税率が上がる
(累進課税:5~45%+住民税10%+復興特別所得税2.1%) - 損益通算は不可で、税金の計算が複雑
取引方法の違い
- 国内FX業者はDD方式、海外FX業者はNDD方式を採用しているところが多い
DD方式:FX業者が顧客の注文をいったん受け取り、業者内で注文を処理する方式
NDD方式:トレーダーの注文がFX業者のディーラーを通さず、直接インターバンク市場に流す方式 - 透明性や取引の公平性に違いがあるため、どの業者を選択するか真剣に考慮するべき
国内FX業者がおすすめな人
- 大きな資金で取引を行う人
- 税金の高さが気になる人
- 海外FX業者にとても不安がある人
海外FX業者がおすすめな人
- 少額の資金で始めたい人
- 効率的に多くの利益を稼ぎたい人
- ボーナスを活用したい人
- 自己責任で出来る人
4.FXのトレード時間
取引可能な時間帯
- FXは24時間取引が可能だが、時間帯によって相場の値動きに特徴がある
- 主な取引時間帯
東京市場:8~17時
ロンドン市場:16~26時(夏時間)
ニューヨーク市場:21~翌6時(夏時間) - 各市場によって動く通貨ペアやボラティリティに特徴が現れるので詳しく分析する必要がある
4.通貨ペアとその特徴
通貨ペアの定義
- FXでは2つの国の通貨をセットにして取引を行う
- 基準通貨と決済通貨の関係を理解することが重要
USD/JPYを例えると、USドルが基準通貨・日本円が決済通貨となり基軸通貨がどれだけの決済通貨と交換できるかを表している
メジャー通貨とマイナー通貨の特徴
- メジャー通貨は流動性が高く、取引量が多いので極端な値の変動は少ない傾向
例:米ドル・ユーロ・日本円・英ポンド・スイスフラン・豪ドル・カナダドル - マイナー通貨は流動性が低く、取引量が少ないので極端な値動きをするリスクがある
例:トルコリラ・南アフリカランド・ブラジルレアル・メキシコペソ・人民元・香港ドル
各通貨の特徴
- アメリカドル(USD)
アメリカドルは世界で最も取引されている通貨。多くの国際取引で基準として使われ世界経済の中心的存在。そのため価格の安定性が高く極端な値動きがしづらいのが特徴。アメリカ経済の強弱によって変動する。 - ユーロ(EUR)
ヨーロッパの多くの国で使われている通貨。米ドルに次ぐ取引量で、ヨーロッパ全体の経済が影響を受けるためユーロ圏の動向に注目が集まる特徴。米ドルとペアで取引される「EUR/USD」は最も人気のある通貨ペアの1つ。 - 日本円(JPY)
アジアで最も取引されている通貨で世界でも取引量が多い。経済が安定していることが多いのでスイスフランと共に「安全な通貨」として知られている。有事の際のリスク回避通貨として取引されることで価値が上がることも。 - イギリスポンド(GBP)
イギリスの通貨で、取引量が多く値動きが激しいのが特徴。英国の経済・政治のニュースに敏感で値が大きく動くことがあるのため、短期間の利益を狙うトレーダーに人気の通貨。
「GBP/USD」「GBP/JPY」などの通貨ペアはスピード感のある取引をしたい人に向いている。 - オーストラリアドル(AUD)
オーストラリアは資源国で資源産業の動向で反応する通貨。
近隣アジア諸国との取引も多くアジア圏の経済に影響されるので、資源価格に敏感な投資家に魅力的な通貨。 - カナダドル(CAD)
カナダの経済、特に石油価格に影響されやすく原油先物市場との相関関係がある。またアメリカと密接な貿易関係があるため、アメリカ経済が強いときは連動してカナダドルも強くなる傾向。
メジャー通貨は初心者にとって取引しやすく、安定していることが多い。マイナー通貨は市場の動きが激しい為上級者向け通貨です。
どの通貨ペアを選択するかは、リスクや手法を分析・検証して判断してください。
まとめ
今回はFXの基本から証拠金取引、FX業者の選定、トレード時間、そして通貨ペアの特徴について初めての方でもわかりやすく解説しました。
これらの知識はFXを始めるうえで必要不可欠な土台です。
FXは通貨の売買を通じて利益を狙う魅力的な取引ですが、その仕組みをまずは理解することが大切です。
これからも学びを続け、自分に合ったトレードスタイルを見つけてより効果的に取引できるようにしていきましょう。